村上春樹の短編集『レキシントンの幽霊』に収められた同名小説をイッセー尾形、宮沢りえ主演で映画化した切ない愛の物語。一人の女性の出現によって初めて愛を知り、彼女を失うことで初めて孤独というものを実感する男の姿を静謐なタッチで描く。監督は「大阪物語」「竜馬の妻とその夫と愛人」の市川準。トニー滝谷の名前は、本当にトニー滝谷だった。太平洋戦争当時、上海のナイトクラブでジャズマンをしていた滝谷省三郎は、終戦後、息子が生まれるとトニーと名付けたのだ。彼が生まれて3日で母が死に、孤独な幼少期を送ったトニーは、やがて美大に進む。細部まで正確に写し取る彼の絵はどこまでも無機的だった。ずっと孤独に生きてきたトニーは、孤独を苦にしなかった。しかしデザイン会社に就職後、独立してイラストレーターとなったトニーは、彼の家に出入りする編集者の一人、小沼英子に恋をする。そして、彼女のいない人生を思い、恐怖した…。
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