諸星学園高校に通う高校生、伊達健太は対戦格闘ゲームの腕を見込まれてI.N.E.T.にスカウトされる。彼が得意とするゲーム“メガレンジャー”はネジレ次元の侵略に対抗する戦士を選抜するための装置だったのだ。焼き肉を条件に研究所に連れてこられた健太は、たまたま見学に来ていたデジタル研究会のメンバー4人と共に邪電王国ネジレジアの攻撃に巻き込まれるが、全力で窮地に立ち向かう5人の姿を目の当たりにした久保田博士は彼らの若さに未来を託すことを決意する。デジタイザーを渡された健太達5人の高校生は変身コード“335”の入力でデジタル技術の戦士・メガレンジャーにインストール、Dr.ヒネラー率いるネジレジアに立ち向かう。激しい戦いの中で明らかになるヒネラーの過去と野望、新幹部ギレールの参戦、そしてネジレジアの独裁者ジャビウスⅠ世の細胞から産み出された邪電戦隊ネジレンジャーの登場により、物語は最終局面に向けて突き進んで行くのであった。インターネットに象徴されるデジタル技術という抽象的なモチーフを、ブームを過ぎた感のある格闘ゲーム的な演出で具体化するという基本コンセプトに加え、ネジレジアの侵略の目的やネジレ次元の位置付けといった敵側の設定も明確でなかったことから、全体に漠然とした印象でのスタートとなった本作品ではあるが、逆にシリーズ前半を主人公5人の学生生活中心の青春ドラマとしたことで各自のキャラクターが深まり、これが後の展開に生きることになる。中盤に登場する6人目のメガレンジャー・メガシルバー早川裕作を飄々としたキャラクターに設定した点も巧妙で、ともすればリーダー的な立場になりかねないシルバーをメガレンジャーの兄貴分的な存在に留め、高校生戦隊という最大の特徴を残すことに成功している。また、衛星軌道上のメガシップが百人のI.N.E.T.隊員を乗せたままギャラクシーメガに変形合体し、大気圏へ突入して巨大ネジレ獣と戦うという大胆な設定も、人間ドラマを描く上で効果的に使用された。これらのドラマの積み重ねが描き出す“友情と信頼”というテーマは、やがて明らかになる久保田とヒネラーとの因縁との対比によって一層強調され、最終回の卒業式の場面で見事に結実するのであった。なお、第8話からは放送日時が金曜日17:30から日曜日7:30へ変更となるとともに、放送時間も30分へ拡大されている。
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