前作の監督エミール・アルドリーノのエイズ死で、本作のメガホンは刑事アクションの佳作「ディープ・カバー」を放った役者出身のB・デュークが取ることになった。気鋭の黒人監督の手で、ウーピー主演のこのミュージカル・コメディがよりリズミカルに変わるのを期待したが、なにせ今やベガスで売れっ子スターというデロリスの紹介シーンからモタモタして気を揉ませる。おまけに今回の彼女は、潰れかかった教区の高校を、生徒指導の面から立て直すというエラそうな使命があって、こりゃダメかなーと思いきや、デロリスのコーラス指導をラップでいなす生徒たちが生き生きと個性的。そこいらで救われる他、構成のうまさもあって、ゴスペル・コンクールのくだりもつい身を乗り出す程の出来具合。J・コバーンは学校経営を放棄したがる理事長に扮し、憎まれ役を引き受けている。エンド・クレジットも気が利いているので、あわてて席を立たれないよう。
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